「ポップ・フィクション」堂場瞬一著

公開日: 更新日:

「ポップ・フィクション」堂場瞬一著

 昭和3年秋、月刊「エース」が売り上げ150万部を超え、編集部は歓声を上げた。一方、総合論壇誌「市民公論」の編集者、松川晴喜はそれどころではない。作家の菊谷聡の自宅へ連載原稿を受け取りに行ったのだが、菊谷がとんでもないことを言いだした。注文された原稿ではなく、自分の書きたいものを書いてみたいから、出版社をつくって雑誌を発行するというのだ。編集部にはさらに松川が筆記を担当した「市民公論」の看板学者・藤島の巻頭言の内容が問題視されて、藤島が大学を追われるという情報が入ってきた。そこには、大学の総長選にからむ陰謀があるらしい。

 出版業界が沸いていた時代を背景にしたエンターテインメント小説。 (文藝春秋 2090円)

【連載】今日の新刊

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    大逆風の田中将大まさかの〝浪人〟危機…ヤクルト興味も素行に関する風評が足かせに

  2. 2

    ロッテ佐々木朗希は母親と一緒に「米国に行かせろ」の一点張り…繰り広げられる泥沼交渉劇

  3. 3

    楽天・田中将大の二軍テスト続行を明言…“外様”今江監督ならではの「常識的判断」

  4. 4

    「(菊池雄星を)高1で超えてやる」 天性の負けず嫌いが花巻東に進学した“本当の理由”

  5. 5

    斎藤元彦知事&代理人弁護士「時間差会見」のあざとさ…二人揃ってPR会社美人社長をバッサリ切り捨て

  1. 6

    八村塁が突然の監督&バスケ協会批判「爆弾発言」の真意…ホーバスHCとは以前から不仲説も

  2. 7

    斎藤元彦知事が百条委トンズラで大誤算!公選法違反疑惑に“逃げの答弁”連発も「事前収賄罪」の可能性

  3. 8

    陰で糸引く「黒幕」に佐々木朗希が壊される…育成段階でのメジャー挑戦が招く破滅的結末

  4. 9

    「終わらない兵庫県知事選」の行方…新たな公選法違反疑惑浮上で捜査機関が動く“Xデー”は

  5. 10

    斎藤元彦知事代理人の異様な会見…公選法違反疑惑は「桜を見る会前夜祭」と酷似、期待されるPR会社社長の“逆襲”