決勝トーナメント無得点 メッシの「大会MVP」に疑問の声
スタンドを埋めた母国サポーターの大きなため息とともに、アルゼンチンFWメッシ(27)のW杯はむなしく終わった。
0-1で迎えた延長後半ロスタイム。ペナルティーエリア右手前で相手MFシュバインシュタイガーに倒された。自ら獲得したFKは事実上のラストプレー。同点ゴールを狙って振り抜いた左足のシュートはしかし、ゴール右上に大きく外れた。
120分を戦って、放ったシュートはわずかに4本。枠に飛んだのは、1本もなかった。1次リーグで4得点を挙げながら、決勝トーナメントでは無得点。決定的な仕事ができなければ、「世界一のストライカー」は、「世界一の怠け者」のそしりは免れない。
サッカージャーナリストの六川亨氏が言う。
「ボールを持った瞬間的な動きには目を見張るものがあったとはいえ、この日も大半がピッチ内をちんたらと歩いているだけ。守備の負担を減らして攻撃に専念させるための“戦術”であるといっても、ボールを持った敵が目の前にいるにもかかわらず、それを追おうともしない。決勝トーナメントに入ってからは体のキレ、運動量とも、肉体的に何かしらのトラブルを抱えているのでは? と思いたくなるほど、精彩を欠いた。メッシ自身はもちろん、彼と心中することを選んだサベラ監督の采配、戦術にも当然、批判が集まると思います」