先発復帰のDeNA山口がプロ初完封 虎の尻尾が見えてきた
DeNA右腕の山口俊(27)が、10日のヤクルト戦でプロ初完封の7勝目を挙げた。3日の阪神戦では5安打1失点でのプロ初完投勝利。2試合続けて九回を投げ切る快投劇は無四球のおまけつきで、3位阪神とのゲーム差を3.5にしたヒーローは「やっと完封できた」と喜んだ。
2010年、11年は30セーブをマークするも、12年から救援失敗を繰り返し、昨年は3度の二軍落ち。今季はクローザーからセットアッパーへ格下げされ、5月には早々と二軍に落とされた。
元幕内力士だった父(谷嵐)譲りの立派な体格(187センチ・90キロ)も、ハートがやや弱い。僅差を守り切る抑えは、性格的に向かないとの声は以前からあった。「先発でダメならトレード要員」との噂もあった6月の交流戦ロッテ戦で、7年ぶりとなる先発マウンドへ。リードを守りきる重圧から解放されると、ノビノビ腕が振れて直球のキレが増し、得意のスプリットフィンガード・ファストボールもよく落ちた。この試合で山口は、首脳陣もビックリの6回2安打無失点の好投で、まさかの今季初勝利。今では先発ローテの一角を占めている。
ここ3試合、計26回投げてわずか2失点。抑えの時には、ファンの罵声を浴び続けた男が、05年以来のAクラスに向けて頼もしい存在になっている。 変われば変わるものだ。