中継は日本人選手ばかり…NHKは大リーグの醍醐味伝えない
■PS絶望でも中継は日本人出場試合
ところが、日本でのテレビ中継では、その醍醐味がまるで伝わってこない。メジャーリーグの面白さというより、日本人選手が所属する球団の試合に偏ってテレビ中継するからだ。
NHKは今季、ヤンキース・田中将大(25)が登板した全20試合を生中継。チームはポストシーズン進出が絶望的ながら、右肘靭帯部分断裂からの復帰初戦(日本時間22日のブルージェイズ戦)も、復帰2戦目(同28日のレッドソックス戦)もライブ中継した。同じくヤンキースの黒田博樹投手(39)、マリナーズの岩隈久志投手(33)らが先発する大半の試合を網羅した。
その一方で、日本人選手のいない球団の中継は、かなり手薄だった。地区優勝、プレーオフ争いが激化する9月、BS1で中継したのは38試合。ナショナルズ対ドジャース、カージナルス対ブルワーズなど、日本人選手が所属しないチーム同士の注目カードがありながら、中継の大半は日本人選手所属チームの試合だった。
これに対しNHK広報局は、「視聴者の関心や注目の高さなどを総合的に判断して、中継する試合を決めています」と答えた。つまり、日本人選手の所属チームの試合は「視聴者の関心や注目が高い」との判断。日本人選手が所属する球団の試合を最大公約数と判断しているのだろう。