「野村監督辞任」は広島からヤンキース黒田への“ラブコール”
疑問があるとすれば、なぜこの時期に発表したのか。辞任が既定路線なら、なおさらポストシーズン後でも良かったのではないか。1つは選手を発奮させるのが狙いだ。指揮官の辞任で、丸や菊池、田中、会沢ら「野村チルドレン」が発奮すれば、勢いを取り戻せる。CSに向けたカンフル剤になればいい、というのが球団の狙いなのだ。
「いや、それもあるでしょうが、もっと大きな狙いがあるはずです」というのは、ある広島OB。続けて口にしたのが、ヤンキース黒田博樹(39)の復帰計画だ。
黒田は今季11勝9敗、防御率3・71と今季も先発ローテーション投手としての役割を果たしたが、ヤンキースとの契約延長は微妙な状況。ジラルディ監督は「投手陣最高齢だが、安定感はナンバーワン。来季も十分にできる」とラブコールを送り、キャッシュマンGMも「クロダとの残留交渉はオフの優先事項の1つ」としているものの、21年ぶりに2年連続でプレーオフ進出を逃した今季はそのキャッシュマンGMの解任が囁かれている。抜本的なチーム改革に迫られる球団上層部には、来年2月で40歳になる黒田との再契約に消極的な声も少なくない。