著者のコラム一覧
森高夕次漫画家・漫画原作者

1963年、長野県生まれ。コージィ城倉のペンネームで89年「男と女のおかしなストーリー」でデビュー。原作を務める「グラゼニ」(「モーニング」連載中)は「お金」をテーマにした異色の野球漫画としてベストセラーに。

マンガのヒーローにするなら大谷より菊池雄星

公開日: 更新日:

 原作では、主人公・夏之介の出身高校(山梨県)の1年先輩にニッシーこと西浦菜津樹、1年後輩にモッチーこと持田郁という人物がいる。3人はエースの座を争う「地方の神童」。しかし、プロに行くのは夏之介だけで、ニッシーはケーブルテレビ局の社員に、モッチーはメジャー挑戦中の夏之介の通訳兼練習相手になる。わずかな成功者である夏之介もプロに入ったら自分より上の選手がいて、態度が卑屈になったりする。地方では神童でも東京では通用せず、野球をあきらめた人間は無数にいる。選ばれし者だけがプロになる。そんな実情を描きたかった。

 雄星と大谷はともにプロ入りして、高校時代に決着がついた夏之介たちと立場は違う。「先にメジャーに行くのは?」などと常に比較され、また後輩に追い越されそうな雄星は、余計なことを考えながら野球をやらなきゃいけないから大変だ。

 ただボクは断然、雄星の方に魅力を感じる。大谷は投手としてはすでに堂々としたマウンドさばきで、150キロ台のストレートを連発。打者としては中軸を打つ。過去に怪物といわれた者たちを凌駕する真の怪物である。野球マンガのヒーローだって、155キロとか160キロはタマにしか投げないんです。大谷をマンガで描いても、「ホントにこんな投手いるのかよ!」と読者から突っ込まれてしまう。失礼ながら、水島マンガのヒーローだってこの域には達していないかもしれない。

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    フジテレビ30代アナ永島優美、椿原慶子が辞めて佐々木恭子、西山喜久恵50代アナが居座る深刻

  2. 2

    志村けんさん急逝から4年で死後トラブルなし…松本人志と比較される女性関係とカネ払い

  3. 3

    ダウンタウン浜田雅功の休養でよぎる2023年の「意識障害」報道…「前日のことを全く記憶していない」

  4. 4

    男性キャディーが人気女子プロ3人と壮絶不倫!文春砲炸裂で関係者は「さらなる写真流出」に戦々恐々

  5. 5

    悠仁さんの成人会見は秋篠宮家の数々の危機をいっぺんに救った

  1. 6

    志村けんさん急逝から5年で豪邸やロールス・ロイスを次々処分も…フジテレビ問題でも際立つ偉大さ

  2. 7

    志村けんさん急死から4年で関係者が激白…結婚を考えた40歳以上年下“最後の女性”の存在

  3. 8

    備蓄米放出でもコメ価格は高止まり…怪しくなってきた農水省の「実態把握」

  4. 9

    日テレ「さよなら帝国劇場」でわかったテレビ軽視…劇場の階段から放送、伴奏は電子ピアノのみ

  5. 10

    フジテレビ「Live News イット!」が大苦戦中…上垣皓太朗アナが切り札となるか