W杯最年長Vの葛西紀明 「26年札幌は選手で」の現実味は?
伝説の男が、新たな伝説をつくった。29日にフィンランドで行われたノルディックスキーのW杯ジャンプ男子で、葛西紀明(42)が33歳のアマンと同点優勝を成し遂げ、42歳5カ月で自身の持つW杯での最年長記録を更新した。これには五輪金メダル4個を持つアマンも「信じられない! レジェンド(伝説)!」と称賛の嵐だった。
今季は講演会やイベント出席などに追われて練習量は例年の半分。ベスト体重を3キロオーバーしながらも遠征中に絞り、今回の優勝だ。
葛西は地元北海道の札幌市が26年冬季五輪に立候補したことを受け、「国内での五輪は長野(98年)が最後と思ってた。できれば(札幌でも)選手で出たい」と話した。26年冬季五輪の時、葛西は53歳。まさかとは思うが……。
旧ユーゴスラビアのナショナルスキーチームのコーチだった平山昌弘氏は、「体力的にはさほど問題はないでしょう」とこう言う。
「そもそもスキーは斜面で立てば勝手に滑るので、他の競技ほど筋力は必要ではない。しかも、40代でも50代でも筋力は大きく落ちないことが生理学で証明されている。常に動き続ける必要があるアルペンに比べ、ジャンプはタイミングの競技。ジャンプ中の姿勢の維持などから背筋を鍛える必要はありますが、高齢になると飛べなくなるわけではない。私が旧ユーゴのコーチ時代、往年の強豪選手ばかりが集まるジャンプ大会を見たことがある。それこそ50歳くらいの選手も飛んでいましたよ」