現場復帰の足掛かり?「万年候補」古田敦也氏の野球殿堂入り
「まさかこのようなところに入れるとは……」
23日に発表された野球殿堂入り。プレーヤー表彰でただひとり選出された元ヤクルトの古田敦也氏(49)はこう言って恐縮した。謙遜だろう。
強肩強打と頭脳的リードで5度のリーグ優勝、4度の日本一を達成し、ヤクルトの黄金時代をつくった功績は誰もが認めるところ。04年の球界再編騒動の際には「戦う選手会長」としても名を馳せ、05年には2000本安打を達成。プレーヤーとしては、およそ考えられるすべてを手にした。
「心残りは、06年から選手兼任としてヤクルトを率いた2年間の監督生活でしょう。1年目3位、2年目は屈辱の最下位。一気に評価を落として退団した。チームづくりを巡って球団と対立した影響で古巣とはすっかり疎遠になり、復帰の目はないともっぱらですから」(球界関係者)
その後はDeNA、ソフトバンク、楽天の監督候補に浮かんでは消えるの繰り返し。露出も少なくなり、工藤ホークスの誕生で空いた、縁の深いテレビ朝日の看板番組「報道ステーション」のスポーツキャスターの椅子も後輩の稲葉に座られた。年々、監督としてリベンジする機会は遠ざかっているように見え、球界では「万年候補」とまでいわれ始めているのだが、今回の殿堂入りで風向きが変わると近しい関係者は期待する。