「日本人トップ」というただし書きでスポーツを眺めてみた
中継放送する側の思惑とは裏腹に、日本人トップ選手の、どこか冷めたコメントは真冬の冷気のように寒々しかった。
別大マラソンも他のマラソン大会の例に漏れず、優勝は09年以来ほとんどアフリカ勢。唯一の例外が一昨年の市民ランナー川内優輝だったから、陸連としちゃため息も出まい。レース4日前に捻挫したアフリカ選手にぶっちぎられたんだから、名物レースも隔世の感がある。
日本人トップ、というただし書きで他のスポーツを眺めたい。
昨季、プロ野球記録を塗り替えたヤクルトの山田哲人の193安打。これにもただし書きが付く。「右打者の日本人トップ」あっはっは! 上には10年のマートンの214安打がある。
「放送席? 放送席! 右打者の安打数日本人トップ山田哲人選手です」
ほとんどの観客が帰ったスタンドからパラパラと拍手が起きる中、
「今の気持ちは?」
と聞かれたら、