名伯楽が頭下げて起用打診 オリ中島に期待される“恩返し”
名伯楽が心血を注いだ弟子のひとりが、オリックスの中島裕之(32)だ。
西武時代、高卒4年目の04年に開幕一軍に抜擢された。これは当時、ヘッドコーチを務めていた土井正博氏の推薦だ。不動の遊撃手だった松井稼頭央(現楽天)が前年にメジャー移籍。誰を後釜にするかと首脳陣が悩む中、土井氏が名前を挙げたのが中島だ。
しかし、当時の中島は03年に一軍で44試合に出場するも、遊撃を守ったのはわずか2試合。その守備も、お世辞にもうまいとは言えなかった。守り勝つ野球をモットーとする伊東監督(現ロッテ)以下、首脳陣が難色を示す中、土井氏は頭を下げてこう言った。
「片目を、いや両目をつぶってこいつを使ってやってください! 必ず、監督に恩返しをする選手になりますから!」
その後の中島の活躍は語るまでもないだろう。
4日のオープン戦(中日)では四球と内野ゴロ。都落ちのような形で日本球界に復帰したが、師匠の恩に報いるためにも今季はやるしかない。