故障相次ぐも揺るがず 米スカウト「日本人投手」高評価の理由
■克明なスカイティングリポートを送り続ける
そもそもエージェントは、自らの力でアスリートとの契約を交わしたとしても、獲得の意思のあるMLB球団が現れない限り、ビジネス上のウマ味はない。日本人選手の活躍とともに、都内近郊を中心に活動するMLB球団の極東スカウトの動向にも注意を払っているという。多発するトミー・ジョン手術は、今後の日本人投手の獲得に影響を与えるのだろうか?
「日本人投手の肘、腱に関しては、確かに大きな議論が交わされています。かといってイニングを投げていない投手に多額の移籍金を支払って獲得する決断を下すのはリスキーですし、162試合を戦い抜く野手の成功例は過去20年を振り返ってもイチロー、松井秀喜さんら数人しかいない。成功とその裏に潜むリスクバランスは、懸念されるほど高くはないと思いますよ」(前出のエージェント)
肩や肘に故障が多発しようと、日本人投手の評価にはさほど影響はない、という見解だ。先日、東京ドームで大谷翔平が野手としてスタメン出場した試合を観戦した筆者は、MLB球団のスカウトの姿を、少なくとも2人確認した。MLBのスカウト陣はNPBの試合を視察し続け、本国の球団に克明なスカウティングリポートを送り続けている。
(小島克典/スポカルラボ)