著者のコラム一覧
小倉清一郎元横浜高校野球部部長

1944年(昭19)6月16日、神奈川県横浜市生まれの71歳。横浜―東農大を経て三菱自動車川崎―河合楽器で捕手として活躍。現役引退後、東海大一(現東海大翔洋)―横浜―横浜商―横浜で監督、部長を歴任。松坂、成瀬、涌井、筒香ら多くのプロ野球選手を育てた。98年の春夏連覇を含め、3度の甲子園優勝。渡辺前監督を支える名伯楽として主に技術面を指導した。対戦校の投手陣や打線の戦術分析に定評があり、名参謀と呼ばれた。14年夏限りで横浜のコーチを退任。現在は山梨学院や熊本・城北など、全国の各校で臨時コーチを務める。

松坂が涌井を復活させた

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 ロッテ涌井秀章(28)がいい。24日の楽天戦は六回途中でマウンドを降り、3敗目(2勝)となったが、この試合の前まで防御率1.86。上々の出だしである。

 きれいな投球フォームで与死球が少ないこともあり、打者からすれば怖さを感じない投手。近年の不振は、投球時の左肩の開きが0.2~0.3秒ほど早くなっていたこと。胸のマークが相手打者に早く見えてしまえば、ボールの出どころが見やすくなってしまう。

 それが昨年の後半から改善され、コントロールが良くなった。全ての球種をほぼ狙ったところに制球できている。全試合で試合がつくれている一番の要因だ。低迷期は140キロ前後だった直球も140キロ台半ばから後半に戻ってきた。多彩な変化球もこれで生きる。

 下半身を強化したのだろう。涌井が古巣の西武時代から信頼を寄せるロッテの大迫幸一フィジカルコーチと二人三脚で取り組んでいて、この人の存在が大きいと話していたことがある。もともと、走るのが好きな男。下半身を鍛え直したことで開きが矯正され、制球力と球威が戻ったのだ。

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