相手棄権で16強進出 錦織「丸3日休養」で全仏初制覇に追い風
運が向いてきたのは間違いない。
男子テニスの全仏オープンに出場中の錦織圭(25)が、3回戦を直前に控えた28日、よもやの「不戦勝」でベスト16入りを決めた。
錦織は29日の3回戦に出場する予定だったが、この日になって対戦相手のベッカー(33=ドイツ)が右肩負傷を理由に棄権を発表。おかげで2年ぶりとなる4回戦進出が決まった。
この「1勝」、4大大会初制覇を狙う本人にとって、メリットは大きい。
3回戦の相手になるはずだったベッカーは今大会、ノーシードながら2回戦で第32シードのベルダスコ(スペイン)にフルセットで勝利。その勢いのまま、錦織に挑むはずだった。
ベッカーと錦織の対戦成績は2勝2敗の五分。拮抗している相手と、球足が遅く番狂わせの起きやすいクレーコートでの対決を避けられたのはデカい。
なおかつ、31日に予定される4回戦まで丸3日間も休養できる。本人はこの日、「(ベッカーの)ケガのことを聞き、とても残念に思う」と自身のフェイスブックでつづったが、5セットマッチの3セット先取というタフな試合が続く今、この不戦勝は精神的にも肉体的にもプラスだろう。
もっとも、「タナボタ勝利」を今後に生かせるかどうかは本人の実力次第だが……。