無計画でドンブリ勘定…「新国立」はバブルのハコモノと化す
「約束を果たすため、国には引き続き努力をお願いしたい」
1日のIOC調整委員会との合同会議でエラソーに言ったのが、東京五輪・パラリンピック組織委員会の森喜朗会長(77)だ。
IOCのバッハ会長から「新国立競技場の建設問題は7月末のIOC総会の前にはまとめてくれ」と言われたばかり。森会長にすれば、「早期解決のためには何をしてもいい」というお墨付きに聞こえたのだろう。2520億円に膨れ上がり、各所から非難されている新国立競技場の建設費用を見直すどころか、「いいから早く造れ」ときた。
同じ1日には遠藤利明五輪担当大臣が、「せっかく造る施設だから、環境や暑さ対策を含めて技術は最高水準。世界に伝わっていくような建物であってほしい」と森会長に追随するようなコメントを出した。65歳の遠藤氏は中大、森会長は早大と学校は違えど、共にラグビー部出身。親分子分の関係で、森会長の発言に遠藤氏が合わせたのは明らかだ。
もちろん、巨費を投じて建てた後のことは考えていない。年間40億円ともいわれる維持費は、サッカー日本代表戦やコンサートなどで賄うというものの、ドンブリ勘定もいいところ。赤字分は税金負担になりかねない。無計画にデカいハコモノを乱造していた時代はとうの昔に終わったはずではなかったのか。スポーツファンの吉川潮氏(作家)は「スポーツバカの連中が知恵を絞ってやってるんだろうが、見ていられない」とこう嘆く。