「周囲がケアを」 過熱する早実・清宮フィーバーに識者が懸念
本人に大学やプロで結果を残すだけの実力がなかった例ももちろんあるにせよ、スター選手に祭り上げられたがゆえに勘違いして伸び悩んだ選手も多い。
「高校生が連日、テレビや新聞の1面で大騒ぎされたら、そりゃ勘違いもしますよ。清宮の受け答えを聞いていると、うれしくてもう、舞い上がっちゃってるところも見受けられますからね」とは前出の吉川氏。同じく作家の麻生千晶氏もこう言った。
「16歳といったら、人生の助走期間。心身ともみっちり鍛えるべき時期じゃないですか。勉強を一生懸命やれとは言いませんけど、全人格的な教育が必要です。なのに、あれだけ騒がれ、チヤホヤされたら、野球さえうまければいいとか、一部分だけが肥大化してしまう危険があります。そうなれば人間としてもアスリートとしても、未熟なまま終わってしまう。恵まれた才能を、マスコミにスポイルされてしまうかもしれないのです。そうならないように親御さんをはじめ周囲は、彼をしっかりケアしてあげるべきだと思いますね」
16歳の高校1年生を無理やりスターに祭り上げることが、結果として選手をダメにする。金の卵からせっかく出てきた芽を摘み取ることにもなりかねないのだ。