錦織ツアー10勝で世界4位 全米オープンのドローに好影響
全米オープン(9月開幕)の前哨戦とされる今大会の優勝で世界ランキング5位の錦織には500ポイントが付与され、計6025ポイント。4位のスタン・ワウリンカを抜いて同4位に浮上した。
グランドスラム初制覇を狙う錦織にとって、ランクを上げたのは追い風だ。次戦のマスターズ大会2戦は、昨年錦織が欠場している大会。つまり失うポイントはなく、逆に獲得ポイントがまるまる加算される。世界ランク上位の選手ほどトーナメント序盤は格下の相手との対戦が組まれ、上位とは後半戦に当たる組み合わせとなる。今回、4位に入った錦織はその順位をキープできれば、9月の全米オープンではノバク・ジョコビッチ(セルビア)、ロジャー・フェデラー(スイス)、アンディ・マリー(スコットランド)の上位3人とは準決勝まで顔を合わせずに済む可能性が高いのだ。
テニスのツアー、特にグランドスラムでは厳しい連戦を強いられるだけに、スタミナの消耗が激しい。トーナメント序盤で実力が劣る相手との対戦が続けば、それだけ楽な戦いができる。身長178センチと海外勢と比べて小柄で、パワーでも劣る錦織はフィジカル面が課題といわれているが、体力を温存して万全なコンディションでランキング上位陣との対戦が予想される準決勝に臨めるのだ。
昨季の全米OP決勝ではマリン・チリッチ(クロアチア)に敗れて男子ではアジア人初のグランドスラム制覇を逃した。4強の一角として出場する今季の全米OPでは悲願の初制覇なるか。