低迷の女子を強化宣言 日本陸連に「勝算あり」の理由
先の世界選手権(中国・北京)で惨敗に終わった日本陸連が、強化体制の刷新に乗り出した。
目玉は「女子部」の設置。30日に都内で開かれた理事会で決定後、尾縣貢専務理事は「これまでおろそかだった女子のレベルアップを図る」と意気込んだ。陸連が女子に特化した強化体制を敷くのは初めてのことである。
国際大会の女子競技で上位入賞が期待できるのは、短距離の福島千里、やり投げの海老原有希の2人ぐらいなもの。マラソンも低迷が続いているが、陸連には勝算があるという。
7月の世界ユース選手権で100、200メートルの2冠を獲得したガーナ人の父を持つ男子のサニブラウン・ハキーム(16)の陰に隠れて目立たないものの、女子にもハーフ選手の逸材が少なくないからだ。七種競技の日本ジュニア記録保持者で米国人ハーフのヘンプヒル恵(19)、昨年の南京ユース五輪3000メートル金メダルでケニア人ハーフの高松望ムセンビ(18)らは、20年東京五輪での表彰台も期待されている。
東京五輪で主役になる中学、高校世代には金の卵になり得る素材が揃っているだけに、陸連はハーフ選手の強化を図ってメダル量産を目指しているのだ。
リオ五輪では報奨金が増額され、金2000万円、銀1000万円、銅で800万円が支払われる。リオはともかく、東京で2000万円を手にするのは女子アスリートになるかもしれない。