引退会見で「子供っぽいまま」 中日・山本昌が持つ“2つの顔”
「若返りを推進しているドラゴンズの現状を目の当たりにして、ボクが残ったらダメだと強く感じた」とホームページに書き込んだのは、オーナーとの会談直後のことだった。
古株の球界OBが言う。
「近年は毎年のように、周囲に『今年で引退する』と言っていたようだが、肩肘に大きな故障もなく、レジェンドとして大きな話題性もあったから、自分がやりたいと言えば投げ続けられた経緯もあった。45歳で迎えた11年シーズンは0勝に終わって引退危機も囁かれたが、意に介さず現役を続けたくらいだからね。ただ、野球への情熱、探究心は一向に衰えることはなかった。現役として投げること以外、考えられなかったんだろう。そういう意味では純真無垢。その一方で支配下登録枠は70人と決まっているから、彼が現役を続けることでユニホームを脱がざるを得なかった投手がいたのも事実。厚顔無恥といったら言い過ぎかもしれないけれど、同僚のベテラン選手が次々と引退を決断したことに加え、白井オーナーとの会談で、ようやく自分の置かれた立場を痛感したんだろう」