若手指導は二の次? 掛布二軍監督に託される密かな「特命」
阪神は生え抜きの若手育成がテーマ。熱心な指導に定評があり、カリスマ性のある掛布二軍監督なら若手を厳しく育てるのにうってつけ。自ら招聘したことで、連携もスムーズにできると考えたのだろう。
もうひとつが、フロントとの緩衝材としての期待だ。
星野仙一元監督は就任1年目のオフ、27人もの選手を入れ替え、チームの立て直しを図った。当時、星野元監督の肝いりで阪神にFA移籍した金本監督も、旧態依然とした球団体質を改めない限り改革はできないと考えている。それには当然、痛みをともなう。純粋な生え抜きではなく、外様の金本監督の就任を歓迎しない抵抗勢力も少なからず存在するからだ。中でもやっかいなのはフロント。トップの南球団社長が退任したとはいえ、外様監督のドラスチックな改革に拒否反応を示しそうな人たちがうじゃうじゃいる。それだけに“ミスタータイガース”を入閣させることで、そういった連中のガス抜きをし、なおかつ外様の自分がやりやすいようにする狙いもあるという。