世界銀の卓球と明暗 “内弁慶”招いた男子マラソンの体たらく
同日に行われたびわ湖毎日で、リオ五輪選考レースはすべて終了。福岡、東京、びわ湖の3レースの日本人最速は、福岡3位の佐々木悟(30)の2時間8分56秒。東京はサブテン(2時間10分以内)皆無で、びわ湖のベストは2位北島寿典(31)の2時間9分16秒。男女とも代表枠は3つだが、男子は誰が日の丸をつけてもリオで上位争いは厳しい。
記録を見ると、国内男子の2時間6分台は、2000年福岡国際で藤田敦史が出した2時間6分51秒が最後。国際レースでは、高岡寿成(現カネボウ化粧品監督)が、02年シカゴで2時間6分16秒を記録。これが今も日本記録になっている。
この現状に危機感を持った陸連は、14年にナショナルチームを発足させたが、ほとんど機能していない。世界のマラソンは90年代後半からアフリカ勢が躍進。男子は2時間2分台で走る選手まで出てきた。一方、国内男子は2時間6分台はおろか、タイムは逆に遅くなっているのが現状だ。
■日本長距離界の低迷は「指導者の勉強不足」
水谷隼人や福原愛は海外の強豪に揉まれることで、レベルアップした。選手もさることながら、指導者だって海外に留学すれば、知識のなさを痛感したり、固定観念を取っ払うこともできるはず。男子マラソンが足踏みどころか「逆戻り」しているのは、そのような選手、指導者がいないからではないか。