五輪で神宮追われるヤクルト本拠に「東京ドーム」急浮上
12日、今季初の地上波中継で巨人に6-2で快勝し最下位脱出を果たしたヤクルトだが、江幡球団常務は同日、渋い表情でこう言った。
「4月以外は使えないというのは、非常に難しい提案です」
東京五輪組織委員会が20年5月1日から11月末まで使用中止を求めた神宮球場は、高校、大学を含めると、年間で90%以上という日本一の稼働率を誇る球場だ。それを五輪のために資材置き場、ボランティアの待機場所に使いたいというから、確かにむちゃな要求だ。
「神宮はメーン会場となる新国立に隣接し、満員なら3万人以上が入る。だから五輪期間中にプロ野球を開催するのは導線確保などセキュリティーの問題などで支障が出るようだ。五輪開催の数週間だけ神宮が使えないというのは、ヤクルトも想定内だったと思うが、5月から使用中止となれば、4月の1カ月しか使えない。球団は経営面で大打撃を被る。シーズンシート(バックネット裏のスターシートで1席32万4000円)は売れないし、球場の看板広告にも影響が出る。東京には、プロ野球開催基準に耐えうるだけの観客を入れられる球場はない。松山、草薙といった地方球場を使用するにしても、招待する対戦球団の交通費、宿泊費などを肩代わりしないといけないから大変でしょう」(球界関係者)