識者も疑問符 スポーツ選手「大学教授任用」甘すぎる基準

公開日: 更新日:

「まさか? あの選手も……」

 別表を見てそんな声を上げる読者もいるだろう。

 今月24日に開幕する、リオ五輪代表選考会を兼ねた日本選手権(名古屋)に、陸上の男子ハンマー投げアテネ五輪金メダリストの室伏広治氏(41)が出場する意向を表明。実際に出てくれば大いに注目されるだろうが、この室伏氏が東京医科歯科大学の教授であることはあまり知られていない。室伏氏は、母校中京大学の大学院で博士号(体育学)を取得。同大学スポーツ科学部の准教授になり、14年10月から東京医科歯科大学教授に就任。アスリートのケアなどを行っているスポーツ医歯学診療センターに加えて、スポーツサイエンスセンターを立ち上げることになり、教授兼スポーツサイエンスセンター長の任務に就いている。

 ただ、この室伏氏のポストはミズノと東京医科歯科大学による「クロスアポイントメント制度」による教授職である。これは、大学、公的研究機関、企業のうち、2つ以上の機関と雇用契約を結べる制度で、優秀な教員を少ない報酬で確保しようとする苦肉の策だ。室伏の報酬はミズノと東京医科歯科大学の協議による配分で決められているのだ。大学は五輪の金メダリストである有名選手を「広告塔」として廉価なコストで雇用できるわけで、国立大学法人にとってこんなにいいことはない。

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    大谷翔平の28年ロス五輪出場が困難な「3つの理由」 選手会専務理事と直接会談も“武器”にならず

  2. 2

    “氷河期世代”安住紳一郎アナはなぜ炎上を阻止できず? Nキャス「氷河期特集」識者の笑顔に非難の声も

  3. 3

    不謹慎だが…4番の金本知憲さんの本塁打を素直に喜べなかった。気持ちが切れてしまうのだ

  4. 4

    バント失敗で即二軍落ちしたとき岡田二軍監督に救われた。全て「本音」なところが尊敬できた

  5. 5

    大阪万博の「跡地利用」基本計画は“横文字てんこ盛り”で意味不明…それより赤字対策が先ちゃうか?

  1. 6

    大谷翔平が看破した佐々木朗希の課題…「思うように投げられないかもしれない」

  2. 7

    大谷「二刀流」あと1年での“強制終了”に現実味…圧巻パフォーマンスの代償、2年連続5度目の手術

  3. 8

    国民民主党は“用済み”寸前…石破首相が高校授業料無償化めぐる維新の要求に「満額回答」で大ピンチ

  4. 9

    野村監督に「不平不満を持っているようにしか見えない」と問い詰められて…

  5. 10

    「今岡、お前か?」 マル秘の “ノムラの考え” が流出すると犯人だと疑われたが…