“不敵な男”本領発揮 大野将平が一本勝ちラッシュで「金」
準決勝でも見事なともえ投げで一本勝ち。銀メダル以上を確定すると、決勝も鮮やかな小内巻き込みで仕留めた。5試合で実に4試合が一本勝ち。真骨頂である「一本を取る柔道」を見せつけた。
「柔道の強さ、素晴らしさ、美しさを見ている皆さまに伝えられたんじゃないかと思います」
優勝インタビューでそう答えつつ、「でも、内容的には満足できない。もっと強くなりたいし、強くなれる」と最後まで強気の姿勢を貫いた。
大胆不敵でふてぶてしい言動が、裏目に出たこともあった。13年8月の世界選手権で初優勝した直後、自身が主将を務めていた天理大柔道部で上級生による下級生への暴力事件が発覚。当初、大野は暴行現場に「居合わせただけ」と説明したが、すぐに自らも1年生部員を平手打ちするなど加担していたことが判明して問題になった。大学からは停学、全日本柔道連盟からは3カ月の登録停止の処分を受け、強化指定選手も外された。
処分が明け、翌年の世界選手権への出場が決まった大野を本紙記者が直撃すると、こう言い放ったものだった。