東京五輪に向けスポーツ界はもう“バブル”に突入している
この会議は、年間に約1000億円(平成27年)の収入がある米国のNCAA(全米大学体育協会)をモデルに、日本版NCAAの創設を検討するというもの。米国ではバスケットボールが大人気で、テレビの放映権料が収益の基盤になっている。
日本版NCAA創設の表向きの理由は、大学施設を地域住民に開放したり、広く国民の健康増進に寄与、スポーツ産業の活性につなげるということだが、要は、六大学野球や駅伝、ラグビーといった人気の大学スポーツを統括する組織をつくり、テレビ放映権などを管理し、収益につなげようというものだ。早期に実現すれば、五輪の強化費としてナンボか吸い上げられるのは間違いない。
大学関係者が言う。
「日本では、教育現場でのスポーツをビジネスにする機関の創設は簡単なものではない。しかし、東京五輪の強化費を捻出するためいろいろなプランが出てくると思う。例えば、昨年度のtotoの売り上げは4年ぶりに前年度を下回り、23億円も減ったが、すると今年の4月から新しいくじが発売された。新国立競技場の整備に関するサッカーくじの財政負担割合を引き上げられたが、それだけが理由ではないでしょう。さすがにプロ野球は無理だろうが、ラグビー人気が高まれば、ラグビーくじもできるかもしれない。また、広島のふるさと納税では、寄付した者が希望すれば、『世界を目指すジュニア選手の競技力向上』にも使われる。それを参考にしたのか、JOCの橋本(聖子)さんは選手応援納税なんて私案をもっていると聞いた。おそらくJOCは、年間に300億とも400億円ともいわれる莫大な強化費が欲しい。常識にとらわれていたら無理な話です。え!?というような話が出てくるはずです」
東京五輪に向けて、すでに札束が躍り出している。