創価大・田中 意外な不人気に「特定球団の情報操作」説
ドラフト戦略のひとつに1位指名を公表してしまう手段がある。
それによって競合を避ける球団が出てくればクジ引きで当たる確率は増すし、そうならなくてもウチは1位でいきますと公表することによって当該選手に対する心証は良くなる。1位を公言するくらい評価しているという何よりの証しでもあるからだ。例年、1位指名をさっさと公表する球団が出てくるのはそれなりのメリットがあるだけに、今年ほど静かなドラフトも珍しいのではないか。
ドラフト会議が翌20日に迫った現時点で、1位指名を“公表”したのはロッテだけ。17日、スカウト会議を開き、創価大の田中正義の指名を公にした。春に右肩を痛めたことを差し引いてもナンバーワンと評価。「いまは問題ない。ケガがなければ12球団がいくくらいの投手」とは松本編成部長だ。
「今年のナンバーワンといわれる投手に対し、1球団しか1位を公表しないのは右肩が原因」と在京球団のスカウトがこう続ける。
「3年時、プロの二軍相手に4回を投げて7者連続を含む8三振を奪った右腕が今年4月、右肩を痛めた。この秋に復活して、4連戦で3試合に登板するなど150キロ超のストレートを投げ込んではいるものの、連投すると球威がガクンと落ちるし、故障以来、初めて完投したのは15日。つい最近だけに、ドラフト会議を直前に控えて無理をしている可能性もある。ただでさえ肩の故障は肘より深刻なうえ、右肩は高校時代にも痛めている。関節が緩いルーズショルダーだとか、いや、故障はもっと深刻だという話もあるくらいです。右肩の故障さえなければ間違いなく目玉でも、故障の程度がハッキリしないだけに取捨選択が難しいのですよ」