ソフトB1位田中正義 156キロの“剛腕”生んだ母親の料理
「中学時代も『子供を預けた以上は……』というスタンス。特に何か言ってくることはありませんでした。お母さんは非常に謙虚? 普段は愉快な方ですよ。明るい性格で、周囲には笑いが絶えない。他の保護者の方々と一緒に、よくカラオケに行っていたと聞いています。今でもお父さんは毎年暮れになると、必ず息子さんと一緒に挨拶に来てくれています」
田中に欠かせないのが母の手料理だ。大学は寮生活だが、そこは独学で栄養学の本などを読み、「食事は栄養素」と豪語する田中。足りない栄養を補うべく、鈴香さんから魚、野菜、卵、豆類を中心に1週間分のおかずを冷凍パックで送ってもらっている。鈴香さんの負担は計り知れないが、そこは愛情のなせる業。嫌な顔ひとつせずに食事を作る母に、田中も深く感謝をしているという。
ドラフトでは5球団が競合し、ソフトバンクが交渉権を獲得。礼儀正しく、優しい両親への恩返しは福岡から始まる。
▽たなか・せいぎ 94年、神奈川県横浜市生まれ。市立上末吉小学校1年から駒岡ジュニアーズで野球を始める。川崎中央リトルシニアを経て、創価高に進学。右肩痛の影響で野手に転向するも、創価大では投手に復帰した。大学3年時にノーヒットノーランを達成し、同年はNPB選抜との試合でも7者連続三振を奪う活躍を見せた。186センチ、91キロ。右投げ右打ち。