マリーに惜敗も 錦織圭ファイナル大暴れに「3つの理由」
懸案事項だった自身の体力面も、ここまでの戦いぶりを見る限り問題なさそうだ。
錦織は今季、ケガに泣かされた。6月下旬の全英を脇腹痛で棄権。10月の楽天オープンも臀部の故障で棄権した。錦織目当てでチケット完売でも、途中で試合を放棄せざるを得なかった。
「今年は日の丸まで背負わされましたからね。肉体的な負荷はハンパじゃなかったはずです」と放送関係者がこう続ける。
「本来なら目標だった7月下旬と8月中旬のマスターズ1000に全力投球したかったのに、間のリオ五輪にも出場して日本勢として96年ぶりのメダルを獲得した。楽天オープンの途中棄権はその反動でしょうけど、その後、目標だった上海(マスターズ1000)を休んでまで、最後の大一番に向けた調整をしてきたと聞きました。休養を挟みながら、今大会に照準を合わせてきたのでしょう」
前出の武田氏も、「錦織が今年、勝ったのは2月のメンフィス・オープン(米国)だけ。250シリーズの1勝で、グランドスラムやマスターズ1000どころか、500シリーズすら勝っていません。今年最後の世界一を決めるツアー・ファイナルで一発逆転を狙う気持ちはかなり強いはずです。まして錦織は格下相手の横綱相撲より、大物食いが好きで意欲を燃やすタイプですからね」と話す。