内村の顔、白井の名前も通じない体操“自動採点システム”
体操の新たな採点方法がスポーツ界の注目を集めている。
国際体操連盟(FIG)が20年東京五輪での採用を目指す自動採点システムのことだ。これは日本企業と日本体操協会が共同で研究を行っており、3Dレーザーセンサーを使って選手の動きを捉え、取得したデータを基に各種目の判定に必要な数値を導き出して審判の採点をサポートするもの。来年以降、試験的に導入するという。
19日(日本時間20日)には来年1月にFIG新会長に就任する日本体操協会の渡辺守成専務理事がスイス・ローザンヌでIOC(国際オリンピック委員会)のトーマス・バッハ会長と会談。渡辺新会長によると同会長は自動採点システムに「スポーツ界が大きく変わるきっかけになるだろう」と期待を寄せたという。
IOCでは大会の公平性を保つ目的で、人間の目だけでなく、各競技にビデオ判定などの導入を促している。不可解な判定を減らし、誤審や八百長を防ぐためだ。
体操の場合、白井健三(20)が、ゆかなどで繰り出すひねり技は国際審判でさえ見落としがあるそうだ。採点に必要以上に時間がかかるケースも。自動システムが導入されれば、正確で迅速な採点が行われる一方で、日本勢には不利に働く可能性も否定できない。