リオOPまさかの初戦敗退 錦織圭「全仏V狙い」に暗雲
錦織はクレーコートが得意だ。昨季まで85戦して61勝24敗の勝率7割1分8厘。赤土の試合を重ねて感覚を磨き、4大メジャーで唯一、クレーコートを使用する全仏オープン(5月28日開幕)に照準を合わせる青写真なのだ。そこまでに世界ランクがひとつでも上がって4位以内に入っていれば、準決勝まで世界ランク1位のアンディ・マリーら強豪との対戦は避けられるという計算もあるからだ。
地面が硬いハードコートに比べて軟らかい赤土は、下半身に負担が少なくて済む。なによりトッププレーヤーが繰り出す高速サーブの威力が、軟らかいクレーで半減するのは大きい。世界のトップレベルの選手の中で、錦織が最も劣るのはサービス。サーブで主導権を奪われる確率がハードやグラス(芝)より低いのは大きな利点だ。
■格下相手に取りこぼしのダメージ
クレーコートはしかし、必ずしもメリットばかりではない。球威が衰えないハードコートとは異なり、クレーコートは球足が伸びない。正確なフォームでしっかりと振り抜かないと、有効打が奪えないどころか、逆に相手にチャンスを与えてしまう。