稀勢の“稽古の勝敗”に大騒ぎ スポーツマスコミに識者苦言
スポーツマスコミによれば「嘉風に13番全勝!」ということらしいが、それが一体何だというのだ。
2日、新横綱・稀勢の里(30)が、二所ノ関一門の連合稽古に参加。嘉風相手に13番取った。
「日に日に良くなってきている。調子も戻ってきたね」
と満足げな稀勢の里はさておき、気になるのが稽古にもかかわらず、勝敗ばかりをピックアップするスポーツマスコミだ。
長年、相撲取材を行ってきた評論家の中澤潔氏は、「われわれの時代は、稽古で何勝何敗なんて書く記者はいなかったんですが……」と、こう話す。
「稽古はあくまで稽古。自分の調子を見ながら、いかに鍛えるかが大事です。日頃の成果を試す、本場所とは訳が違う。昔は、『勝敗に関係なく試していることがあるのではないか』『何かの対策を練っているのではないか』と、内容で記事を書いていたものです。確かに稽古とはいえ、新横綱の勝った負けたは話題にしやすいでしょう。しかし、それでは本質を見失っている。本場所が始まる12日まで、まだまだ時間はある。今の時期に目先の勝敗だけ取り上げても意味はないし、大きな間違いです」