牧田を抑えで使うと決めると西武関係者にこう頼んだ
WBCの開幕戦。11-6とキューバをリードして迎えた九回のマウンドに牧田(32=西武)を送った。八回裏に日本代表攻撃陣が貴重な2点を追加し、差は5点。セーブがつかない場面だが、投入に迷いはなかった。
■菅野のストッパーも考えた
侍ジャパンが実際に始動するまでは正直、迷っていた。メンバー表を眺めながら、抑えを誰にするか、そればかりを考える毎日。過去の反省から、リリーフの専門家を多く代表に加える布陣を敷いた。これなら戦えると自負する顔ぶれで、誰にもストッパーを務める能力はあったが、かつての大魔神佐々木のような絶対的な存在まではいかない。先発のエース格と考えていた菅野(27=巨人)を場合によっては配置転換しようなどと考えながら、2月の12球団キャンプ視察に向かった。
これだ! と思ったのは、西武のキャンプ地・宮崎県の南郷を訪れたときだった。小久保監督とともにブルペンを視察、アンダースローから浮き上がるような真っすぐを投げる牧田の投球練習を見て、「抑えでいける」と即決した。小久保監督も同意見だった。