金本監督もベンチに蹴り 虎ペナント制覇への“致命的欠陥”
伊藤隼が凡退した直後、金本監督はベンチを蹴り上げて怒りをあらわにしていたが、阪神打線は続く六回にも、好機をフイにした。1死一塁から2番の上本が右飛に倒れた場面だ。カウント3―2となり、ベンチは一塁走者の高山にスタートを切らせた。ランエンドヒットの形だ。当然、上本の最低限の仕事はゴロを打つことなのに、簡単に打ち上げた。
「七回1死一塁では、途中出場の糸原が犠打に失敗し、併殺でチャンスを潰しました。終盤まで0-0の1点勝負という展開。しぶとく1点を取りにいくという、接戦をモノにする戦い方がこの日の阪神にはできていなかった。ポイントゲッターである3番の糸井が28打数無安打と当たりが止まっている。いずれ復調するでしょうが、中軸打者が不振に陥るということは当然、今後もあり得ること。結局、この日は4安打。常にしぶとく、粘っこく1点を取りにいくという意識がペナントレースを制覇するためには必要です」(橋本氏)
5月6日から首位をキープする阪神だが、2位広島との差は0.5。こういう野球をやっていたら、12年ぶりの優勝も逃げていく。