金本監督もベンチに蹴り 虎ペナント制覇への“致命的欠陥”
敵失を生かせず、流れを手放した。
阪神が巨人に連敗した24日の試合。阪神は五回に絶好のチャンスをつかんだ。先頭の福留が、チーム初安打となる三塁打。ここで5番中谷が浅い右飛に倒れたものの、続く鳥谷の打席で、好投していた巨人先発の吉川光が頭部死球を与え退場処分になった。怒号と歓声が入り交じり、にわかに盛り上がる甲子園。そんな押せ押せのムードはしかし、代打の伊藤隼、梅野の凡打で一気にしぼんでしまった。
「五回が勝負だった」
試合後、金本監督は厳しい表情でそう切り出すと、内野ゴロでも1点という可能性があった場面でフライを打ち上げた中谷をやり玉に挙げ、「言っても(ケース打撃を)できないのは、ボクらの指導力不足」と嘆いた。
■田原と巨人を助けてしまった
評論家の橋本清氏がこう言う。
「代打の伊藤隼の打撃にも疑問が残りました。吉川が危険球退場し、急きょ、マウンドに上がった巨人の2番手の田原は、気持ちの面も含め、万全な準備ができていなかったはずです。投手の立場からすれば、じっくりと攻められたら嫌な場面。しかし、伊藤隼は初球に手を出して、二ゴロに倒れた。しかも、外角のカーブにやや体が泳がされた。狙い球とは思えない打撃でしたから、余計にもったいなかった。田原と巨人を助けてしまいました」