CSファイナル進出の立役者 楽天ウィーラー“太もも”の秘密
■個人よりもチーム
助っ人には珍しく、チームプレーをなによりも優先。池山チーフコーチが「責任感が強い選手やからね。勝ちに対する思いも強い」と言えば、礒部打撃コーチも「チームプレーもしてくれるし、乗ってくれたら心強い選手」と首脳陣も絶大な信頼を置く。先制点を叩き出したこの日の初回も三遊間に打球が転がると、全力疾走で一塁を駆け抜け内野安打に。中前打で出塁した四回には、二塁進塁後に西武先発の野上の投球が捕手の後ろにそれるや、一気に本塁まで生還した。
ウィーラーが言う。
「毎試合、チームを鼓舞することだけを心がけている。ベースボールは子供の遊びの延長を大人がやっているんだ。この時期に数字は関係ない。試合を楽しむだけさ」
ウィーラーを「ムードメーカー」だと認める梨田監督も、「彼が元気だとチームが元気になる」と絶賛。その助っ人が打って走って勝利に貢献し、試合後の指揮官の目は涙で真っ赤だった。
重圧とは無縁のエンジョイ・ベースボールを実践するウィーラーの存在は、ファイナルステージで待つソフトバンクにとって、脅威の存在となりそうだ。