20失点投壊でCS惨敗 広島ドラ1指名は広陵中村でいいのか
敗戦直後のベンチはお通夜のようだった。
広島は、初戦こそ3―0で完封勝ちしたが、そこからまさかの4連敗。真っ赤に染まったスタンドも静まり返った。
緒方監督は「この結果は監督の責任。短期決戦を勝ち上がれるようにもっと勉強しなくてはいけない」と言ったが、敗因は多々あろう。シーズン終盤に鈴木誠也が離脱したことも確かに痛いし、第3、第4戦では采配も裏目に出た。しかし、一番の問題は4試合で20失点の投手陣だ。
広島は投手力で連覇したチームではない。公式戦の防御率はリーグ3位の3.39。2ケタ勝ちは薮田(15勝3敗)、岡田(12勝5敗)、大瀬良(10勝2敗)と3人いるが、いずれも力で相手打線をねじ伏せるタイプではなく、打線の援護があってのもの。昨年最多勝(16勝)、最高勝率(.842)に輝いた野村も今季は不調で、この日も先発して3回3失点KOと期待を裏切った。
チーム打率.273、152本塁打、736得点、112盗塁(すべてリーグ1位)の数字が物語るように、圧倒的な破壊力と機動力を有する打線で首位を独走してきた攻撃力のチームだけに、打線が低調ならこんな結果も十分に予想できた。
広島の松田オーナーは26日のドラフト会議で地元広島の広陵高・中村奨成捕手を1位指名することを公表している。即戦力投手に変更してもファンは納得してくれるのではないか。