「現状ではプロ厳しい」広岡達朗氏が語る成功の必要条件
「今の状況ではプロでは厳しい。ユニホーム姿を見ても寸胴の体形で、足が使えないからです」
清宮幸太郎についてこう断ずるのは、球界の重鎮・広岡達朗氏だ。
清宮は小さいころからよく食べ、中学時代に100キロを超えてダイエットをした経験がある。今は184センチで体重は100キロほどだが、トレーニングの効果もあり筋量が増加した。2年秋に主将に就任、自身も含めて個々の選手に「球速5キロ、飛距離5メートル、体重5キロ増」の目標を設定したのだ。
「入学したころから、食事面からフィジカルに対する意識を変えたいと思っていた。ウエートの後にプロテインを飲んだり、練習の合間におにぎりで補食をとるようにしています。お腹がすいたまま運動すると、エネルギーを補うために筋肉量が減ってしまう」
本人は今年1月にこう話していた。
が、広岡氏は清宮の体はプロのレベルとしては物足りない、と見る。
「体重が100キロだろうと120キロだろうと関係はない。今の清宮君は走れない、スピード感がないという印象です。これは単に盗塁するときのことだけではない。一塁守備にしても、さまざまな局面で俊敏さや反応の良さが求められる。足が動かないとなると、作戦が限定されてしまうのです。比較的動きの少ない一塁ができないというならどのポジションもこなせない。何より、下半身の強化を中心とした肉体改造が必要でしょう。そんな中でも、パの日本ハムに指名されたのはまだ良かったと思う。指名打者があるから打撃に専念できます。たとえば守備も求められるセの巨人で入団して2~3年経っても使い物にならないとなれば、ほったらかしにされかねません」