楽天ドラ2岩見は一般入試で2校の合格蹴って予備校通い
優しい性格は比叡山高3年の文化祭でも垣間見られた。同校の文化祭では、各クラスで作ったTシャツを着用。岩見はそのTシャツに付ける、ニックネームを書いたワッペン36人分をフェルトで作成したという。
クラスをまとめる一方で、進路には頭を悩ませていた。父と同じ消防士を目指していたが、夏の予選大会が終わると、河畑成英監督にこう打ち明けた。
「野球を続けたくなった。プロを目指すために関東の大学へ行きたい」
■浪人中の練習は週2回
すでに7月後半。最後の夏をベスト8で終えた岩見の進学先を野球で探すのは容易ではなかった。そこで、「スポーツ推薦」のない慶応大学をAO入試(書類選考+面接)で受験。担任教師と面接の猛特訓を重ねたが、1回目(Ⅰ期)は書類選考で落ち、2回目(Ⅱ期)も不合格に終わる。一般入試で京都の佛教大と大阪体育大に合格していたが、「六大学が夢への近道」と浪人を決意。毎日予備校に通って受験に備えつつ、週2日の半日間は「野球の時間」と決めてバットを振った。1年後、AO入試で慶応大総合政策学部に合格。河畑監督はこう振り返る。