米国の補強に異変 目玉ダルが平野や牧田より契約遅い理由
■リリーフ陣を有効活用
昨季のワールドシリーズで世界一を争ったアストロズ、ドジャースの継投は典型的な例だ。メジャーの先発投手はクオリティースタート(6回を自責点3以内)で及第点とされるが、両チームともレギュラーシーズンは先発陣を長く引っ張らず、好投していても5回で交代するケースは珍しくなかった。
ドジャースではエース左腕カーショウ(18勝4敗)が故障者リスト入りしたこともあり、27試合で計175回にとどまったのはともかく、ウッド(16勝3敗)が27試合で同152回3分の1、前田(13勝6敗)が25試合で同134回3分の1と、200イニングに達したのは一人もいなかった。
ア・リーグ屈指の投手力を誇るアストロズも150回以上投げたのはタイガースから移籍したバーランダー(15勝8敗=33試合で同206回)だけ。両軍とも早めの継投で逃げ切りを図ってきた。リリーフ陣が充実しているからこそ、成せる継投策だ。
FAの目玉であるダルですら移籍先が決まらない大きな理由は、リリーフを重要視するようになった各球団の戦略にもありそうだ。