男子フィギュアの採点に疑惑 22年北京は“不正五輪”の恐れ
中国からは閻涵(21)も出場したが、メダル争いに食い込む選手ではなく(23位)、露骨な不正はなかった。
現在の採点方式は2002年のソルトレークシティー五輪後に採用された。きっかけもまた、不正採点だった。ソルトレークでペアの演技に不可解な採点が発覚。フランスの審判が「自国の連盟会長から『アイスダンスでフランスを勝たせる代わりにペアではロシア組を勝たせてほしい』と言われた」と告白した。
採点競技に主観や自国ひいきはつきもの。だからこそ、ジャッジ9人のつけたGOEと構成点のうち、最高点と最低点を省いた7人の平均を算出する現在のシステムが採用された。それでも不正はなくならない。
フリースタイルスキー男子エアリアルでも採点をめぐる場外乱闘が起きた。ベラルーシのソチ金メダリスト、アントン・クシニルが決勝に進めず、これに自国の五輪委員会会長を兼任するルカシェンコ大統領が「不当採点だ」と激怒。スイス、中国、ロシアの審判が自国選手に有利な採点をしたと、IOCのバッハ会長に抗議した。
4年後、冬季五輪の開催地は中国・北京だ。4年前のソチでは、開催国のロシアによる組織的なドーピング問題で激震が走ったが、22年は採点競技の不正に揺れそうだ。