収穫のメジャー初先発初勝利 大谷の課題は「配球の工夫」
3連打で3点を失った二回は、ボールが真ん中に集まった。味方打線が2点を先制、その直後でリードを守ろうという意識があるいは指先の微妙な感覚を狂わせたのかもしれない。
■マウンド上での不安を一掃
5番ジョイスに高めのストレートを左前に運ばれると、次打者ピスコティにも甘いストレートを右前打された。一、二塁とされ、続くチャプマンへの2球目、真ん中に入ったスライダーを左翼フェンスの向こう側へ放り込まれた。逆転3ランを浴びたが、打たれた安打はこの回の3本だけ。Jスポーツ解説者の三井浩二氏は、「メジャー公認球、マウンドへの対応に苦しんでいたオープン戦と比べて、格段に良くなっていた」とこう言った。
「スライダー、スプリットも低めに決まっていたし、直球も100マイル近くを記録していたので、きょうの投球を見る限り、マウンド上での不安は一掃したと思う。球威もあり、相手打者から空振りも取っていたので、日本ハムに所属した昨季までのいい時の大谷に近づいている。開幕前、多くの米メディアが大谷の実力を疑問視していましたが、本人は自分の投球をすれば、メジャーでも通用するという手応えをつかんだのではないか。依然として直球が抜ける場面もありましたが、致命的なものでもないし、四球はわずか1個と制球に苦しんでいたわけでもないので、気にすることはないでしょう」