ポーカーフェイスに秘めた闘志 DeNA京山が背負う“父の夢”
【救世主】
開幕直前、DeNAは先発の今永、浜口、ウィーランドがコンディション不良で離脱。先発のコマ不足が深刻だった。そこに現れたのが、高卒2年目の京山将弥(19)だ。開幕3戦目(対ヤクルト)の先発に抜擢されると、5回1失点でプロ初登板初勝利。その後も好投を続けて3連勝し、チームの17年ぶりの8連勝に貢献した。4月25日の広島戦で炎上して二軍落ちとなったが、木塚投手コーチは「一度調整して、彼ならまたすぐに戻ってこられる」と信頼感は揺るがない。
【セルフコントロール】
3勝目を挙げた直後、ラミレス監督は言った。
「信頼度は先発の中でトップ3といっても過言ではない。球種のコンビネーションがうまく、セルフコントロールもできる。ピンチでもパニックにならない」
マウンドでは、どんな状況でも無表情。淡々と投げる姿は幼少期からそうだった。滋賀の北大路中学時代に在籍していた「草津シニア」の徳地正典部長はこう振り返る。
「感情を表に出さない物静かな子でした。でも、マウンドに上がると内に秘めた闘志を感じた。中学3年時の日本選手権1回戦で八王子シニアと当たったとき、八王子のホームでやったんですが、相手投手に2回デッドボールを当ててしまった。申し訳ないという気持ちはあったでしょうが、その後もインコースを投げ続けましたから」