鳥谷敬の連続試合を「不自然」と報じないマスコミの忖度
この鳥谷問題については、やれ阪神球団の意向だとか、やれ金本監督自身が晩年に同じことをしていたからだとか、さまざまな背景や事情が考えられるが、それがなんであったとしても記録の欺瞞性に変わりはない。それなら「新聞は社会の木鐸たれ」の言葉通り、在阪スポーツ新聞は批判なり問題提起なり、なんらかの警鐘を鳴らしてしかるべきだが、大阪在住の私がそれを目にしたことは一度もない。関西の放送局もそうだ。鳥谷問題について議論しようとする気配すらない。先述したようなテンプレ表現を多用して、事実の表層だけを報じて終わりだ。
当然のことながら、阪神ビジネスへの依存度が高い関西のスポーツマスコミは球団や選手とのトラブルを避けたがる。お得意さまの機嫌を損ねて取材拒否なんかされたら仕事にならないからだ。
しかし、それならそれで阪神は一体、何をやっているのだろう。マスコミが忖度するということは、すなわち阪神がそういう圧力を感じさせる球団だという意味でもある。あのジャニーズ事務所ですら、昨今は昔ながらの情報操作やマスコミの過剰な忖度が問題視されているにもかかわらず、阪神はいまだに旧態依然としているのか。
私は虎党であり、中でも鳥谷は早大の後輩ということもあって新人時代からずっと贔屓にしてきた。だが、贔屓の引き倒しは性に合わない。そこは是々非々でいきたい。