関西圏から勧誘 花咲徳栄の岩井監督に聞く「選手集め」
――育成には自信あり、と。しかし、そこまで考えるのは中学生にはなかなか難しいのでは?
「中学生も、きちんと説明すれば理解してくれますよ。井上の気持ちが花咲徳栄に傾きかけているときにも、ちゃんと伝えました。『もし埼玉に来るなら、中途半端はダメだよ。今、僕は優しいけど、先輩はメチャクチャ怖いからな。こんなに優しいのは今だけだぞ』って(笑い)」
――花咲徳栄は他県からの選手が多い。井上以外でも、熱心にスカウト活動は行っているのですか。
「ウチにはスカウトはいないし、お金だってない。僕と縁のある2、3チームの試合などを見に行くだけですよ。全国大会に何度も足を運んで、何でもかんでも声をかけるわけじゃありません。(昨年ドラフトで西武に2位指名された)西川も、東北福祉大の関係者を通じて紹介してもらった選手です。僕の考えでは、中学生を見るときは、まずチームを見るようにしていますから」
――ボーイズなどの所属チームということですか。
「そうです。そのチームの方針がいいな、と思えば取りにいく。いくらポテンシャルのある子でも、チーム方針がウチと合わなければ、絶対に声はかけません。高校野球は、監督や学校側が選手に合わせることはない。選手がその監督やチーム方針に合わせなければいけないんです。そこがかけ離れていてはダメなんです。だから、どんな指導の下でやってきたかは最も重要なんです」
――どんなに素質のある子でも、花咲徳栄のチーム方針と合わなければ意味がない、と。
「大事なのは選手と指導者、互いの意思疎通です。仮に異なる方針の下でやってきた選手がウチに入ったとしても、その子は伸びないですよ」