「待っているとしか」 金農・吉田“進学先監督”が不安吐露
一躍、時の人となった吉田だが、甲子園の開幕前までは進学が有力視されていた。というのも、昨年10月から定期的に正村監督の指導を受け、直球を生かすためのスライダーと疲労が蓄積しづらいフォームを習得。おかげで投手として飛躍的に成長。吉田も金足農の中泉監督も恩義を感じ、その恩師が率いる八戸学院大への進学が内定していたのだ。
正村監督が言う。
「吉田は野球に対する姿勢が真面目で、とてもいい子です。去年の夏に秋田大会決勝で(明桜に)負けて悔しい思いをしていた。それも成長につながったと思います。技術的に一番気になったのは投球フォームでした。下半身をきちんと使えるような無駄のない投球フォームに変え、そこからブレないよう土台がしっかりした」
■約束は「多少なりとも分かってくれると」
正村監督は、金足農の嶋崎久美前監督から依頼され、“本業”である大学の指導の合間を縫って、青森から秋田へ計30日間ほど通ったという。
しかし、愛弟子は一気に甲子園のスターへ。プロ12球団が「ドラフト1位で消える逸材」と口を揃え、すでに楽天や広島など6球団以上は1位指名を検討する今秋ドラフトの目玉になった。23日にスカウト会議を開いた日本ハムの大渕スカウト部長も「球団としても個人としても能力が高い選手だと思っている」と高い評価をつけた。