完敗ヤクルトが感じた巨人の“変貌”…想定外の打線の沈黙も
手も足も出なかった。
ヤクルトが14日、CSファーストステージで敗退。2年連続最多勝、対ヤクルト戦防御率1.80の菅野智之(29)にノーヒットノーランを喫した。
振り返れば、「巨人キラー」の小川泰弘(28)が先発した初戦で勝てなかったのが痛かった。レギュラーシーズン、ヤクルトはDeNA戦15勝10敗(勝率.600)に対し、巨人戦には13勝11敗1分け(勝率.542)。勝率自体はDeNAの方がいいにもかかわらず、巨人を「やりやすい相手」と“歓迎”していた。
しかし、CSになった途端、巨人の“様子”が変わったという。宮出打撃コーチは「早めの継投策は頭にあったし、想定の範囲内だったので、奇策と感じることはなかった」と言う一方で、田畑投手コーチはこう話した。
「(初回に四球で出塁した田中俊が)初球から(盗塁で)走ってきたのは想定外だったかな。それで小川が『あっ』と思ってしまったかは分からないけど、(6回3分の1で4失点の)原因を考えるとしたらそれくらい」
打線の沈黙も想定外だったに違いない。今季のチーム打率(.266)はリーグトップ。山田哲人(26)は自身3度目のトリプルスリーを達成し、バレンティン(34)は打点王(131)を獲得。それが2人ともCS2戦はノーヒット。青木が左太もも裏の故障でスタメンから外れたことで、マークが集中した山田は、「配球の読み合い負け。菅野さんはいつも通り良くて、素晴らしい投球だったけど、小林さんのリードがいつもと違った」と完敗を認めた。
小川監督も「コメントすることはない。勝負に負けたということ」と渋い顔。3位巨人に6.5ゲーム差もつけて2位となったヤクルトだったが、高橋監督の辞任が決まってから目の色が変わった巨人に屈し、今季が終わった。