矢野阪神わずか4日で誕生 背景にはうるさ型の「株主対策」
■2015年の楽天は「1000円安」
阪急阪神HDの株安も、「お家騒動」が関係しているのか。経済ジャーナリストの松崎隆司氏は、「影響は大きいでしょう」と、こう解説する。
「球団は親会社の広告塔。今回のゴタゴタはマスコミに大々的に報じられた。阪急阪神は、楽天が『楽天市場』などでエンドユーザー向けに商売をしているのと同様、鉄道や百貨店などは末端消費者が顧客。タイガースの低迷によって系列百貨店でバーゲンを開催できないなど、企業の売り上げにも少なからず影響する。阪急阪神は特殊な企業で、株主総会でタイガースの質問が飛び交うように、タイガースが好きという理由で投資する株主もいる。業績とは別に、ファンが企業への批判をぶつけるために株を売るというケースもある。こうした心情的な要素で株価が変動しやすい企業といえます」
さらに松崎氏は、「週末に金本監督の退任を発表し、市場の休日を挟んでわずか4日間で矢野監督就任にこぎつけたのは、株価対策の側面もあるのでしょう」と言う。
ちなみに、15日に矢野監督の就任が決まり、16日にはオーナー交代を発表。コーチ人事も進む中、19日金曜の終値は3810円。4000円台へ回復するためには、来季への期待感を持てるような「もう一押し」が必要かもしれない。