巨人宮本コーチは意外に勉強家 問題は指揮官との主従関係
巨人OBの重鎮、広岡達朗氏は「野球の勉強もしていないタレントがコーチになるとは」と手厳しい。やり玉に挙げられているのは、投手総合担当として第3次原政権に初入閣した巨人の宮本和知コーチ(54)である。
1990年代に左腕エースとして活躍した宮本コーチは、97年限りで引退した後はテレビの世界に活躍の場を移した。現役時代の「宴会部長」のイメージもあって、確かに「タレント」という印象が強い。指導者経験はなく、これが初めてのコーチ業。球団ワーストタイとなる4年連続V逸中というドン底に沈むチームの投手陣を束ねるには力不足、と不安視する声が多いのも事実である。
しかし、現役時代の後輩にあたる評論家の橋本清氏はこう言う。
「本当に勉強家です。宮本さんは引退後、自治体の要請もあって自宅のある神奈川県の葉山町に少年少女を対象にした野球チームを設立した。その際、硬式がいいのか軟式がいいのか、プロ野球の現場に行ってわざわざ各球団の選手一人一人に話を聞き、『軟式野球経験者の方が多かった』というデータを取って、軟式野球チームを立ち上げました。相手が子供であっても、指導するからには言葉が大切、精神的なケアも必要だと自費で米国に行き、スポーツ心理学を学んでメンタルトレーナーのライセンスを取得しています。仕事とは別に二軍にも頻繁に足を運び、OBの中では誰よりも今のチームの事情に精通している。裏表のない明るい性格も含め、私は宮本さん以上の適任者はいないと思います」