由規「ただ野球がしたい」楽天と育成契約までの60日を独白
――背番号は「123」を選んだ。
「実戦復帰まで『ワン、ツー、スリー』という感じで、一歩一歩階段を上がっていこうという気持ちを込めました。リハビリ中に高い目標を立てて追いつけなくなると、ギャップを埋めることが難しくなり、自分を追い込んでしまうんです。そこが一番難しい。以前のリハビリしていたときに気づいたのですが、目標を一番近いところに立てるのがコツだったりする。<1球投げたら次は2球、そして10球の次は11球>といった具合にハードルを低く設定し、それをどんどん越えていくことが自信につながる。気づいたらゴールに近づいていたというのが理想です」
――石井GMは「来年後半には戦力に」と言っている。やれる自信は?
「あります。この時期にキャンプや秋季練習に参加できなかったとはいえ、プラスに捉えれば、自分の好きな練習ができるということ。リハビリを経て、結果を残すことだけに集中できます。仙台は僕の故郷。これまで仙台で投げるたびに、温かく迎え入れてもらって、ありがたかったです。地元に帰ってきたなあって気持ちになった。ヤクルト時代の最後の登板が楽天生命パークだったのは、何かの縁かもしれないと今は思っています。楽天入りが決まった以上、故郷に錦を飾るじゃないですけど、杜の都に恩返しをしたい。ボロボロになるまで、野球をやれなくなるまでやり尽くします」