福岡国際で日本勢14年ぶりVも…東京五輪に直結しない理由
4度目のレースなら伸びしろはある。
福岡国際マラソンは、服部勇馬(25)が2時間7分27秒で初優勝。日本勢のVは2004年大会の尾方剛以来。陸連の瀬古利彦マラソン強化戦略プロジェクトリーダーは「末恐ろしい選手が出てきた」と相好を崩した。
今年に入って国内のマラソン界はやたら活気づいている。
今大会4位の設楽悠太(26)は、2月の東京で2時間6分11秒で2位となり、16年ぶりに日本記録を更新。それに刺激されるように、4月には川内優輝(31)がボストンで優勝。8月のアジア大会(ジャカルタ)では、2時間6分54秒の記録を持つ井上大仁(25)が32年ぶりに金メダルを獲得。10月にはシカゴで大迫傑(27)が、日本記録を更新する2時間5分50秒で3位に入った。
進歩どころか、「むしろ後退している」とさえいわれた日本のマラソン界。その時計が、これまでの遅れを取り戻すかのように急激に前へ進み出したのは事実だ。
しかし……世界だって動いている。例えば今年だけを見ても、9月のベルリンでエリウド・キプチョゲ(ケニア=リオ五輪金)が、従来の記録を1分18秒も上回る2時間1分39秒の世界新記録をマーク。1月のドバイでは1位から7位までが2時間4分台でゴール。4月のアムステルダムは上位3人、10月のロンドンも2位まで2時間4分台だった。