六川亨氏特別寄稿<下>W杯GL突破の日本にはいつも彼がいた

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 このドイツ大会の日本代表は、ジーコ監督が主力組とサブ組を区別。両者の間に「膜」のようなものを感じた。それから4年後の10年南アW杯。 35歳となった川口は前年9月の右すね骨折で一度もJリーグに出場していなかったが、W杯最終メンバーの「23番目」として選出された。

 そして想定外のチームキャプテンを託された。

「ボクを代表に呼んでくれた(監督の)岡田(武史)さんには感謝しています。ドイツでの経験から<チームをまとめなくては>と思いました」と振り返ってくれた。

 日本代表がW杯のグループリーグを突破したのは02年と10年大会だ。そこには、いつも川口がいた。南アW杯直前のスイスキャンプでは、裏方に徹しながら練習にも全力で取り組んでいた。鋭い勘と抜群の反射神経。練習の虫でもあった。いつも自分で自分を叱咤激励しながら、その時の「力を100%出し切る」のが川口スタイルである。

 記録にも、記憶にも残る偉大な選手だった。

(おわり)

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